「みやざき高校生木育デザインプロジェクト」に行ってきました。
平成27年12月20日(日)にみやざきアートセンターで開催された、「みやざき高校生木育デザインプロジェクト」に行ってきました。
木育デザインプロジェクトとは、第一線で活躍するパワープレイス株式会社の若杉浩一氏と株式会社良品計画の小山裕介氏を講師に迎え、「スギ生産日本一」の宮崎県内の高校生・教員・木材業界関係者を対象に、木材を利用したプロダクトデザインの基本となる考え方や知識を学ぼうという企画です。
全体の流れは、初めに若杉さんと小山さんの基調講演が行われ、その後に高校生を中心としたワークショップ「木づかいデザインの進め方」が行われました。
1. 基調講演「デザインでひきだす木の力」パワープレイス株式会社 若杉 浩一 氏
若杉さんは、自分の生い立ち、人々との出会い、日向駅や宮崎空港などでのスギ活用、デザインやスギに対する情熱などを面白おかしく話してくれました。
2. 基調講演「無印良品のデザイン」株式会社良品計画 小山 裕介 氏
小山さんは、デザインのについての考え方や商品開発の過程などを分かり易く、詳しく教えてくれました。
3. ワークショップ「木づかいデザインの進め方」
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課題は「木(気)を使った製品を考えよう」 |
大人も参加し、5班に分かれて考えます。 |
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どういった製品にするのかアイデアを検討して、 |
皆さんの前で発表を行いました。 |
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小山さんと若杉さんにアドバイスをもらい。 |
記念撮影。 |
私自身今回参加して、普段は何気なく使っている身の回りの物にも、デザイナーの熱い思いや考え方が込められていることに、改めて気づかされました。今後はそれらを使う時に、使う側だけではなく、どういった思いや考えを経て作られた物なのか、デザインする側の観点でも、それをみることを心掛けようと思いました。
※以下は当日に参加した高校生たちの感想です。
1.講演① 若杉浩一氏の講演について
全員が、若杉さんの生き方のお話しがとても面白くひきこまれ、デザインに対する情熱をしっかり感じ取ったようです。
また、デザインすることについて、考えるきっかけとなったとの答えが多くみられました。
<高校生の感想原文より>********************************
- 若杉さんのこれまでの道のりや体験がとても面白くて凄く楽しかったです。デザインや杉に対する情熱がとても伝わってきました。デザインが人を幸せにする。素晴らしい事だと感じました。
- 話がとにかく面白くて、ひきこまれた。
- 「デザインは生き様です」と言う答えが印象に残った。「泣きたいほど好きなモノ」は、まだ自分には無いかもしれません。
- 話がわかりやすく面白かった。楽しかった。「杉」を「使う」ことの大切さがわかった。
- 最後まで内容が頭に入ってきた。
- ためになって面白いお話しだった。
- ギャグも交えて話してくださって飽きがこなくとても楽しかった。
- 若杉さんの言葉には力があった。ひとつひとつの言葉に説得力があって、心の奥にストンと入ってきました。特に、「金の為にするデザインが 面白いのか」という疑問があって、若杉さんも同じ考えでいらっしゃったことに最も共感しました。2月11日も絶対行くのでその時はまた、よろしくお願いします!
- あきらめないことで、自分が思っていたよりも大きな夢が叶ったという体験談を問いて、私もどんなに難しい課題をぶつけられても前向きに努力して決してあきらめずに乗り越えていきたいと思った。
- そういう考え方があるんだなぁとか、そうすればよいのかと沢山感心することがあった。
- 素材にこだわってどう活かすかを考える事はとても楽しいことなんだと思った。
- 木を使ったデザイン全てがとても良く「木」でこんなに美しい家具等を作れるのだと改めて感じた。
- 全国のいろんな公共機関で建物や家具として杉が使われる事で、落ち着きのある気持ちのいい空間ができ、また、地域振興にもつながり、素晴らしい活動だと思った。
2.講演② 小山祐介氏の講演について
普段目にしている商品が、発売されるまでの専門的な説明が学びの意欲を高めたようです。デザインされたモノに対する意識が変わったという意見が多く見られました。
<高校生の感想原文より>********************************
- デザインについて自分なりに考えを持っていて凄いと思った。実際デザインしたものが実際に販売されるまでに何度も何度も試行錯誤を重ねて商品化されていくリアルなデザインの現揚がとても参考になった。
- デザインとは何なのか、デザインとして伝えるものは何なのか、そんな哲学的な話を聞きながら考えさせられました。
- 「無印良品」は個人的に大好きです。デザインの感じも雰囲気もとても良いです。商品開発には、多大な努力があることを知った。
- 凄く真面目に話をされていて、聞く側も真剣に聞かなければと思いました。
- 「無印」の方の話を聞く機会がもてて素直に嬉しかったです。スクリーンに映し出されたもので、とても心惹かれるものがあり欲しくなった。
- 若杉さんと違って真面目な感じの語り口調でしたが、ひき込まれる内容だった。
- デザインすることの大変さを改めて学びました。特に何回も展示会を経て3年間も商品化にかかると言うことに驚きました。2月11日も絶対行きます!
- 「良品計画」は就職したい企業で、講演を間いてとても興味深く面白かった。特に新しい商品が店頭に並ぶまで、試作→改良→試作‥‥を何度も繰り返して3年もの長い時間をかけていたりすることを知り、「思いやりの詰まった」形なのだと思った。
- 買った物を大切に使い、さらに自分で工夫した使い方をして、作った人も使う人も満足できるようになれば景情らしいなと思った。
- これまで意識して売り揚を見たことがなかったけれど、お話しを間いて、改めてお店に行って見てみたいなと思った。
- 専門的な内容を知ることができて良かった。
- 一般に発売されているインテリアなどのデザインが、沢山の思考があり、完成までの過程が細かくあることがよくわかった。
3.ワークショップ「木づかいのデザイン」について
アイデアを出すのは難しかったけれど、楽しかったと全員が書いていました。チームで話し合い活動をすることが面白かったようです。
また、木のもつ可能性について意識が変わったとの声も多く見られました。次回を楽しみにしているとの声も多数。
<高校生の感想原文より>********************************
- 今までは自分ひとりで考えて制作する事ばかりだったので、グループでものを作るための話し合いや検討する活動がとても新鮮だった。自分の考えが他の人と共有され、また他の意見が合わさって1つのアイデアになっていく過程がとても楽しかった。
- すごく良い体験になった。自分の中では商品化もあり得るアイデアを皆で出し合えた事に満足している。小山さんには、ぜひオガクズの寝袋や服などの開発をお頼みしたいと思った。
- 木材をテーマにデザインする楽しさを知れました。これから木材を使った作品を作っていきたい。
- 「どんな人が」「どんな目的で」「どのように使うのか」によってデザインし形にしていくことが重要だとわかった。
- 「木」を使って自分の欲しいものを考えるのは初めてでとても新鮮だった。
- もっと話しをしたかった。
- 様々な意見を出すのが難しかったが、それが楽しかった。
- 僕たちの班はハンモックのデザインでした。思いついた理由が「かんなで削ったクズって柔らかくてよいなぁ」と思ったのがきっかけです。次回、がんばってプレゼンするのでどうぞよろしくお願いします。
- アイデアは全然浮かばなかったけど、楽しかった。ひとつ浮かんだらいい案が沢山でて楽しかった。
- 私たちの班は1つのアイデアに絞れなかったので、次回までに身のまわりの生活を見直していきたい。
- 他のチームのアイデアを沢山聞けて楽しかった。
- 普段生活していて「木」は意外と多く使われている事に気づけてとても良かった。日常の中にもっと「木」があったらと考えると「ワクワク」して楽しかった。
- 木材の可能性は大きいのだなと感じた。
- 木材資源が豊富な日本にとって、木材の活用はとてもいいことだと思った。自分でも活用できないか考えるようになった。
*下記( )は、ワークショップではなく、「木をつかったデザイン」について思うことをかいてくれた意見
(・「木」を使う事でその場の雰囲気が柔らかく落ち着いた感じになると思う。)
(・手をそんなにいれなくてもデザインになる木目があることが、温かみがあってよいと思う)
(・「木づかいのデザイン」は温もりを感じるし、子どもに安全だし、子どもから大人まで楽しめるデザインだと思う)
4.あなたにとっての「デザイン」とは?
参加者のそれぞれが、それぞれに「自分にとってのデザインとは?」を問うきっかけとなったようです。どのように変容していくのか、また聞いてみたい項目です。
<高校生の感想原文より>********************************
- 今までは「誰に」「何を」くらいの事しか考えたことがなかったが、今回の講演を聴いて、「社会全体もデザイン」であることや、「暮らしそのものがデザイン」されていることを意識できた。1つの素材を使っていかにしてデザインしていくのかを学ぶことができてよかった。
- 自分や第三者の考えや訴え(困ったこと)を具体的、物理的につくりあげてできるもの。
- 周りにあるもの全て人が作ったデザインであるから、「デザインは人の生活に欠かせないもの」。
- 個性
- 人に影響を与えるもの
- 生活を豊かにし色々な世代に役に立つモノ
- 若杉さんの「自分の生き様」と似ているのですが、デザインは自己表現だと思う。特にアートはそれで、自分の想いそのものを制作過程に組むことだと思う。
- 自分でも解らないことに「気づく」こと。自分らしさを表現すること。
- 人と人がつながる大切なもの
- オシャレのひとつ
- 気分を変えるモノ
- 自分で考えた事を形にできる!
- 見た目だけでなく実用性も兼ね備えたものがデザイン
- 生活を便利にするもの
5.あなたにとっての「木育」とは?
「木育」という言葉に初めてであったという声が多かった。4の質問と同様に、また今後どのように深まっていくかが楽しみです。
<高校生の感想原文より>********************************
- 今まで正直「木」や森、私たちの住む宮崎について考えたことかありませんでした。杉の生産量全国1位と言うことも初めて知りました。今回、木に着目して考える機会が得られてよかったです。
- まだはっきりとはしないのですが、人を「癒やす」もの。
- 今回初めて「木育」という言葉を知りました。講演&WS(ワークショップ)が凄く面白かったので、皆に知ってもらいたいし、またぜひ参加したい。
- 「木を通して」いろんなことを多面的に学ぶこと
- 木に親しみをもつこと。木に親近感を持ち、安らぐこと(同じ意見複数)
- 人の心を和らげるもの。人を楽しませるもの。
- 「木」と共に、人の心や社会を育んでいくこと
- 私にとっての木育は、自分の(生きていく)環境を育てていくことだと思う。「木」(のある)環境に身を置いて、木と共に生活をすることが木育てあると思う。
- 子どもだけでなく大人も楽しむことができるもの
- 木をつかってできるものを知ること。そして自然の大切さを知ること。
- ここにある資源を最大限に活かすこと。
- 木の温かみと大切さを知ること。
- 身近な木から可能性を広げること
- 幼い頃から木のオモチャに触れることで、大人になったときに、自然と木に親しみを持つ人工を増やして、木材の活用を活性化させること。また、木とかかわることで地域との連携が密接になること。
- 人に癒やしを与え、生活を豊かにするもの。
- 日本や宮崎の杉を活かす場を増やすこと。