10月16日にニューウェルシティ宮崎において、令和5年度みやざき木づかい県民会議総会が開催されましたので、紹介します。
会議では県産材の利用拡大や普及PR等について顕著な功績があった8者に対して、「木づかい」への貢献や協力について河野知事から感謝状の贈呈が行われたほか、取組事例発表や、みやざき木造マイスターからの取組報告等がありました。
REBORN~天星の透間~(西米良村)
元々あった古民家の雰囲気を壊さないよう大きな梁や桁を残しつつ、スギなどの県産材を活用し内装木質化した宿となっています。
バーカウンターには一枚板の銘木(イチョウ)が使われており、洗練されたバーに来たかのような趣のある空間を創出しており、かりこぼうず大橋を流れる川辺のせせらぎを聞きながら心身をリラックスさせるような癒しの空間となっています。
野口遵記念館(延岡市)
野口遵記念館は、延岡市のまちなかのにぎわい創出につながる、新たな文化芸術の振興拠点として令和4年12月に開館しました。
施設の内装には、県内で最も森林面積が広い市の特徴を踏まえ、延岡市産のスギ・ヒノキを使用し、市民がふるさとに誇りを感じることができるような空間を、屋外からも見えるように整備しており、音楽を主目的としたホールの壁面には、延岡の伝統的風景である「鮎やな」をモチーフとした意匠の木ルーバーを全面的に設置し、音を拡散させ、豊かな音響を作り出すと同時に、木の素材感で温もりある優しい印象をつくりあげ、明るく上品な空間を演出しています。
延岡城・内藤記念博物館 和室棟(延岡市)
延岡城・内藤記念博物館に併設された和室棟は、市民が気軽に訪れることが出来る憩いと交流の場所とするため、建物と日本庭園が一体となるような配置計画とし、構造材から化粧材全てに延岡産の木材を活用した木の温もりが感じられる建物としています。
茶道、華道などの多様な文化活動が行える数寄屋造りをモチーフとした和室は、真壁構造の柱や梁を現しにすることで、木の温かみを感じる空間となっています。
レモン設計室 主宰 河野秀親氏(串間市)
木の温もり+木構造+意匠デザインを基本として魅せる構造として取り組み、特に3次元の空間の魅力づくりに積極的に取り組み、柱の大切さと魅せる木造建築をコンセプトに児童福祉施設や高齢者福祉施設の設計監理を行ってきました。
(株)日東 代表取締役 東宗一郎氏(都城市)
毎年、地元の幼保園等の依頼を受けて出前木育教室を実施し、木材の素晴らしさ、森林の働き、天然資源の有効活用等を座学で講話し、自社で製材した木工キットで実際に手に触れさせ、楽しみながら木材、森林について学ばせる事を意識して活動しています。
その他、児童や高校生を対象に地域の循環資源である木材をテーマに木材加工企業等の現場見学等に協力するなど、県内の木づかい普及啓発活動を積極的に行っています。
(福)宮崎県社会福祉事業団
障害福祉サービス事業所 向陽園(宮崎市)
向陽園は、障がい者に対し自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、就労支援、働く機会、生活介護の場を提供し、必要な訓練及び支援を行う施設です。
宮崎県との関わりとしては木育事業において木育プログラムで使用するキットの開発考案、製作に協力。その他県内で開催される様々なイベント等に木育ブースを設けたり、保育施設の出前講座を行うことで、木材利用の意義等の普及啓発に貢献しています。
(一社)宮崎県建築士会 宮崎支部(宮崎市)
宮崎県建築士会は建築士の資格者団体で、建築士として自己研鑽に務め建築文化の進展に寄与するとともに、その職能を活かして社会に貢献することを目的としています。
宮崎支部青年部は、日本に受け継がれてきた大工技術である貫工法を活用したジャングルジム「くむんだー」を九州に初めて導入し、木育活動を実施しています。
柱に木槌で楔を打ち込む作業があるため、木に触れ、木の柔らかさ、暖かさ、匂い、木目の色合い、木槌の音など無意識の中で五感による実体験を可能とし、立体として組み上がっていく過程は子どもたちに物作りの楽しさと達成の喜びを体験する場を与えています。
また、材料に県産材を活用しているため、木づかいにも貢献しています。
吉本工芸(有) 代表取締役 吉本有宏氏(宮崎市)
昨年11月に開催されたJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップにおいて、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組として、従来の金属製に代わり環境に配慮した木製観戦スタンドが導入され、史上初の試みとして話題になりましたが、吉本工芸有限会社は、木製観戦スタンドの開発、施工を担われました。
この木製観戦スタンドは、様々なイベントに採用できる可能性があるとともに、比較的小径の木材を使用するために、間伐材などを有効に使用することができます。
また、スタンドだけでなく併設されたVIP席や選手のスコアリングエリアなども、同様に簡易な木造架構にて設置され、木づかいの普及に大きく貢献しました。
取組事例発表では各部門から一者ずつ発表していただきました。
発表をした(株)日東の東氏は、「木青会活動をしていくうちに私たちの仕事の根幹である「木を伐採することは悪いことだ」と思っている子供や大人がとても多いことに気付かされた。そこから、「伐採し植林する」ことで地球環境を良くすることにもつながるということをしっかり伝えたい。」と発表の中で関係者に伝えていました。
※発表の様子((株)日東 東氏)
みやざき木造マイスターである(有)野添設計の野添氏からこれまでの木造塾の取組や、木造マイスターを対象としたプロポーザル形式による児湯広域森林組合本所事務所の設計管理業務の紹介をしていただきました。
児湯広域森林組合本所事務所の設計管理業務では、木造塾で得た技術を実際に活用している場面もあります。
※発表の様子((有)野添設計 野添氏)
県の取組報告では、県から建築物等木材利用促進協定制度や、新設された「みやざき材の家」推進工務店登録制度、みやざき材炭素貯蔵量認証制度について報告がありました。
みやざき木づかい県民会議では皆様に木づかいの意義をさらに発信できるよう今後も取り組んでまいります。
みやざき木づかい県民会議 構成団体
みやざき木づかい県民会議 事務局 宮崎県木材協同組合連合会
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